
イトーヨーカドー丸大新潟店が1月に閉店した新潟市中央区の本町六商店街(ぷらっと本町)で、客離れや、高齢者らの「買い物難民」化を防ごうと、各店が知恵を絞っている。鮮魚店での精肉販売などが始まっており、行政も広報などで応援を開始。関係者は「丸大新潟店がなくても、来てもらえる商店街にしたい」と奮闘している。
「丸大新潟店は核になる店だった。そこから、他の店に流れて行く人も多かった」。本町六商店街振興組合理事長の坂内由和さん(74)=坂内商店代表取締役=は振り返る。
食品売り場も備えた丸大新潟店の閉店で、商店街では客離れのほか、高齢者らが食品の購入に困る事態も懸念された。このため坂内さんは各店に、可能な範囲で食品の品ぞろえを拡充することなどを求め、各店も対応を考えてきた。
「渡辺鮮魚店」では2月上旬、商店街で展開する2店のうち1店で肉の販売を始めた。
周辺には精肉店が少なく「お客さんから、肉を売る店を求める声を聞いた」と小嶋修平社長(48)。「少しでも困っている人の役に立ちたかった」と販売に踏み切った理由を語る。
知人に県産肉の卸売会社を紹介してもらい、鶏モモ肉、豚バラスライスなど十数種類を扱う。客の要望があれば種類を増やす方針だ。丸大新潟店の跡地で食品スーパー「ロピア」が開業する夏ごろまでは、肉の販売を続けるという。
総合食品卸売業のカトウ食材(新潟市中央区)が本町6で展開する「魚やのお惣菜(そうざい)やさん」は、丸大新潟店の閉店を受け、それまで1日50個ほど置いていた弁当類を100個ほどに増やした。丸大新潟店で昼食を買っていたサラリーマン、高齢者らに好評で、売り上げや客数は順調に推移しているという。
食材部部長の神田隆行さん(56)は「『ピンチをチャンスに変える』ではないが、うちの店のファンを一人でも増やしたい」と繰り返す。魚の総菜の...