長岡市栃尾地域の商店街。人口減少が進む中、活性化への模索が続く=長岡市谷内2
長岡市栃尾地域の商店街。人口減少が進む中、活性化への模索が続く=長岡市谷内2

 20年前、六つの市町村が合併し、新たな長岡市の歩みが始まった。地域は、行政は、どう変化したのか。次の20年をどう歩むのか。現実を見詰め、光を探す。(6回続きの1)

 商店が一つ、また一つと減る風景に寂しさが募る。「合併した頃と比べても、がっくんがっくんと減っている。みんな後継者がいないんだ」

 長岡市栃尾地域の中心部で理容店を営む男性(76)がため息をつく。3年前には近くの老舗料亭が店を閉じた。地域を代表する飲食店の一つだった。

 20数年前、長岡市との合併を巡り、当時の栃尾市は揺れた。基幹産業だった織物業界が勢いを失う中で、住民投票の末に市民が選んだのは、合併だった。男性は当時、合併推進派として活動した。

 「合併しなければ先がないと思っていた。今はもう…、じり貧だ」

 長岡市によると、2006年1月1日に合併した栃尾地域には、同年4月1日時点で2万3千人余りが住んでいた。24年4月1日時点では1万5千人余り。減少率は35%に達する。

 栃尾市議として合併に反対し、合併後の長岡市議も務めた高見美加県議(57)は「用水、学校など人口減少による社会資本の縮小が一気に進んでいる。ただ、それを合併のせいにはできない思う」と語る。

 地方産業の衰退や少子高齢化、東京への一極集中という大きな流れは、...

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