
4月29日に閉店する鳥まん=上越市西本町4
上越市直江津地区で70年以上にわたり親しまれてきた飲食店「鳥まん」(荒納正晴社長)が29日を最後に、閉店する。建物の老朽化や経営環境が厳しいことなどが理由という。店長の荒納繁浩さん(53)は「長年ご愛顧いただき、感謝している。閉店まで多くのお客さんに店の味を楽しんでもらえれば」と話している。
鳥まんは1952年、繁浩さんの祖父、金次さんが現在の店舗近くの八坂神社の参道前で、焼き鳥とおでんの屋台を始めたのがルーツ。その後に現在の場所に店を構えたという。
「まん」は「萬(よろず)」を意味し、食のデパートを目指して、焼き鳥やすし、ラーメン、フルーツパフェなど豊富なメニューをそろえた。多いときは約200種類の料理を提供。高度経済成長期には大人数の宴会でにぎわった。
店は拡張を重ね、90年に現在の店舗が完成した。しかし、建物の東側部分は築50年を超えるなど老朽化し、4、5年前から大宴会場の1室が使用できなくなったという。
売り上げの多くを宴会が占めているが、新型コロナウイルス禍で宴会需要が減少。今後も売り上げが増える見通しが立たず、人手不足や原材料費の高騰などの要因も重なり、閉店を決めた。
29日の閉店まで限定メニューで営業するが、思い出の味を求めて、夜の予約は閉店日まで既に埋まっている。週末のランチは整理券を発行して対応している。水曜と22日は休業する。
繁浩さんは...
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