2025年3月31日午後2時すぎ=新潟市中央区

 新潟市中央区の地下商店街「西堀ローサ」は31日、入居するテナント全てが営業を終了し、1976年の開業から半世紀の歴史に幕を下ろした。全長約330メートルの地下街に並ぶ店の明かりが消え、買い物客らは古町地区の象徴の一つだった西堀ローサとの別れを惜しんだ。

 最終日まで営業した約10店舗では、なじみの客が足を運び「今日が最後だね」「元気でね」と、店主と感謝を伝え合っていた。最終日を思い出に残そうと、記念撮影する姿も目立った。

 田上町の主婦(67)は、にぎわった開業当初を振り返りながら「古町から人が減っていくのがさみしい」と声を落とした。婦人服・雑貨「とうりゃんせ」の大波愛子さんは「閑散とした状況からすれば閉店は仕方がない。ただ、おしゃれしたいのに、婦人服を買う店がなくなるというお客さんの声が切ない」と話した。

 イベントスペース「よろっtoローサ」は午後5時、ファンに見守られながらシャッターを下ろした。店長でお笑い芸人の森下英矢さん(44)は「古町は、人を大人にしてくれる場所。こうした特徴を捨てるのはもったいないので、今後も西堀ローサを活用してもらいたい」と願った。

 施設を運営する新潟市の第三セクター新潟地下開発(中央区)は事業継続を断念し、全テナントに3月末までの退店を求めていた。同社はことし10月までに会社を解散する方針。施設は今後、市有化される見通しだが、具体的な利活用方策は決まっていない。

 地下通路は...

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