
県内食品スーパー売上高2位のウオロクが、全県に商圏を拡大している。下越地域を地盤としてきたが、好調な売り上げを背景に年1、2店舗のペースで出店を続け、2023年には上越市に進出した。背景には、人口減や県外地盤のスーパーの参入などによる競争激化がある。地元客の需要を的確に捉えた売り場づくりなど、ローカルスーパーならではの強みを生かし、県内シェアを拡大して攻勢をかける。
ウオロクは1962年、新発田市で鮮魚店を営んでいた葛見フジヱさんが創業。以後、鮮魚に強みを持つスーパーとして下越地域から店舗網を拡大してきた。98年の見附店オープンで中越地域に進出。2023年には上越店で上越地域に進出した。現在は下越32店、中越12店、上越1店の計45店舗を構える。
近年注力するのが総菜などの商品力向上だ。22年に新潟市江南区に生鮮デリカセンターを新設し、総菜を一括製造し各店に供給する体制を整えた。添加物の使用を抑え、家庭の味に近づけた商品で特徴を出す。
一方、地元密着型の店づくりにも力を入れる。鮮魚売り場では自社バイヤーが市場で直接仕入れた魚が並び、契約農家が生産する地場野菜コーナーは全店舗に設置。地元で祭りが開催される際は品ぞろえを柔軟に変えるなど、丁寧な売り場づくりで客数を伸ばす。25年3月期の売上高は過去最高の947億5200万円となった。
ただ、新潟県のスーパー業界の競争は激化している。地場のスーパーだけでなく県外勢も出店攻勢をかけており、23日には新潟県第1号店となるロピア(川崎市)が新潟市中央区に出店した。ロピアは関東中心に出店する人気のスーパーで、商品の目新しさや安さを売りに集客を図る。
◆本多伸一社長「安定供給続けるには、シェア拡大必要」
対して、ウオロクを展開するウオロクホールディングス(新潟市中央区)の本多伸一社長(74)は...