
すっぽりとかぶるだけで暖かいポンチョや腹巻き、レギンス。おなかを包み込むようなスカートもある。五泉市寺沢1のサイフクが展開する自社ブランド「SAIFUKU(サイフク)」は、雪国新潟にあるメーカーらしさを前面に打ち出した商品が特徴だ。
1956年創業。編み地から縫製、仕上げ工程まで社内一貫生産体制を築いてきた。相手先ブランドによる生産(OEM)を中心に、高度経済成長期には設備投資を重ねた。
だが、バブル経済崩壊後、アパレル業界は厳しい環境にさらされ、安い中国製品が台頭。常務でブランドマネージャーの斉藤佳奈子さん(47)は、大学卒業後の2000年に入社し、受注生産の厳しさを感じていた。「ニット製品は夏に秋冬物の生産の最盛期が来て、春に閑散期になる。できる限り通年で安定した生産体制を作りたい」と、自社ブランドの立ち上げを模索する。
「作ることはできても、売ったことがない」(斉藤さん)という課題克服のため、ブランド立ち上げに当たっては、製造小売りやコンサルティング業で知られる中川政七商店(奈良市)のアドバイスを受けた。

12年、雪国ならではの蓑(みの)から着想を得たポンチョの独自ブランド「mino(ミノ)」を発表。...
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