クロダイによる食害を防ぐため、カキの稚貝を密集させて束ねた伊藤隆一さん=佐渡市の加茂湖
クロダイによる食害を防ぐため、カキの稚貝を密集させて束ねた伊藤隆一さん=佐渡市の加茂湖

 佐渡市の冬の味覚として親しまれる加茂湖の養殖カキが記録的な不漁となっている。今シーズン(2024年10月〜25年5月時点)の水揚げ量は昨シーズンに比べ約6割減り、約21トンだった。漁業者らは稚貝の垂らし方を工夫するなど、個々に不漁の一因である食害対策に力を入れている。

 加茂湖の養殖カキは、毎年11月中旬ごろから翌年6月ごろまでが漁獲シーズン。カキの稚貝が付いたホタテの貝殻を縄にくくりつけて養殖いかだに垂らし、1年ほど水中で育てて水揚げする。水揚げしたカキは、加熱用として出荷している。

 近年はクロダイによる食害が深刻化。長年、カキ養殖に携わる伊藤隆一さん(66)は「食害のひどさを改めて実感させ...

残り600文字(全文:900文字)