
加茂湖の水質やクロダイによる養殖カキ被害などが話題に上がった調査報告会=佐渡市両津湊
クロダイによる加茂湖の養殖カキの深刻な食害などを考える調査報告会が、新潟県佐渡市両津湊の両津地区公民館で開かれた。参加した漁業者は「他の仕事を探さなければいけないほど厳しい状況だ」と窮状を説明。出席者からは刺し網を使ったクロダイ駆除などの対策案も示された。
島内の研究機関などでつくる「加茂湖活動組織」が2月15日に主催。漁業者ら約30人が出席した。
活動組織メンバーで佐渡潜水会長の正司正さん(67)は、能登半島地震後の加茂湖の状況を報告。地震の揺れによって湖面に浮き上がった有機物が「青潮」と呼ばれる貧酸素状態を引き起こした可能性を指摘した。
横浜市の市民団体「金沢八景-東京湾アマモ場再生会議」の工藤孝浩さん(62)も参加。湖底に広がった貧酸素の水塊を避けたクロダイが、湖面付近の養殖いかだを集中的に狙って食害が深刻化したと推測した。工藤さんは「刺し網でいかだを囲うなどすれば、効率的に駆除できるはず」と対策案を示した。
このほか、クロダイの餌となるアマモの再生事業や、湖への汚泥流入を防ぐ実験結果が示された。報告を聞いた養殖業者からは「生活がかかっている。去年と違う対策を打たなければ」など切実な声が上がった。
活動組織は今後、調査結果を基に水質改善などに取り組み、クロダイの餌となる多様な生物が生息できる環境を目指す方針だ。
浜田の自営業男性(35)は...
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