農家自ら店頭でコメの魅力を客に伝える越後ファームの「お米場田心」=東京・日本橋(写真映像部・大橋奎介)
農家自ら店頭でコメの魅力を客に伝える越後ファームの「お米場田心」=東京・日本橋(写真映像部・大橋奎介)

雪室を活用した「雪蔵今摺米」の魅力を語る越後ファームの近正宏光CEO=阿賀町野村

有機栽培米を手がける「魚沼ゆうき」の山岸勝代表。もみ殻や米ぬかを堆肥にするなど自然由来にこだわったコメは「お米場田心」の売れ筋だ=十日町市

 コメ不足や米価高騰でコメ生産だけでなく流通、販売、消費を含めた「商流」が揺れている。コメ供給の「大動脈」である農協を通じた集荷が細る一方、農家の直販や中食・外食の需要増などで多様な流通ルートがあることも「令和のコメ騒動」で浮き彫りになった。重点企画「コメ商流」では、生産から消費までの流れを川に見立て、川上から川下へ、川下から川上へたどり、農政の構造的課題と「コメ王国」の行方を探る。

 東京・日本橋の三越本店の地下にあるコメ売り場「お米場田心(こめばたごころ)」。7月上旬、阿賀町の農業生産法人「越後ファーム」の近正宏光CEO=最高経営責任者=(53)の姿があった。

 本県産コシヒカリ、北海道産ゆめぴりか、山形産つや姫などが並ぶ売り場は越後ファームが運営する。コメの生産にとどまらず、全国の農家から仕入れ、消費者に直接販売する。農業者が自ら商流を構築し、...

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