人気商品のフリーカップをろくろで成形する其田弘輔さん。鉄ベラ、ガラスのプレート、プラスチックの下敷きなど、さまざまな道具を使う=佐渡市相川北沢町
人気商品のフリーカップをろくろで成形する其田弘輔さん。鉄ベラ、ガラスのプレート、プラスチックの下敷きなど、さまざまな道具を使う=佐渡市相川北沢町

 県内には人々の暮らしや地場の産業を支えるあまたの職人がいる。連綿と受け継がれた技術を次代につなごうと、日々工夫を凝らしながら、奮闘を続けている。今に息づく伝統工芸などの担い手を紹介する。

 ろくろの上で静かに回る赤い土。なめらかな表面や曲線を描くために、さまざまな工具を押し当てて、丁寧に形を整えていく。

 独特な赤色が基調の佐渡の伝統陶芸「無名異焼」。相川地区の窯元「北沢窯」の3代目、其田弘輔(そのたこうすけ)さん(37)は慣れた手つきで看板商品のフリーカップを成形していた。若者や女性に人気を集める商品だ。...

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