
植物を観察する早田文蔵(撮影年月日、撮影場所不明)
加茂市出身の植物学者、早田文蔵(1874〜1934年)の生涯と功績を紹介する企画展が、加茂市民俗資料館(加茂)で開かれている。台湾で1600種以上の植物を命名し「台湾植物学の父」と称される早田の人柄や実績、古里との関わりを約40点の資料からたどる。
早田は旧加茂町生まれで25歳で東京帝大(現東大)に入学。1905(明治38)年に日本統治時代の台湾総督府の嘱託となり、24年まで台湾の植物研究に従事した。「台湾植物図譜」10巻を刊行するなど、台湾の植物分類学の礎を築く。東京帝大教授となり、植物の分類体系などに関する独自の学説を提唱。病気のため59歳で死去した。
近年は、早田の功績を国内外で再評価する動きがある。台湾の台北植物園では2017年、...
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