自宅を訪れた支援者と話す中東出身の高1女子生徒=8月
 自宅を訪れた支援者と話す中東出身の高1女子生徒=8月
 取材に応じるチューターの加藤美和さん=5月、東京都新宿区
 奨学金プロジェクトについて話す反貧困ネット理事の稲葉奈々子上智大教授=5月、東京都千代田区
 中東出身の高1女子生徒が描いたデザイン画(生徒提供、画像の一部を加工しています)

 外国籍で在留資格がない「仮放免」などの高校生が進学や就職の夢を諦めないよう、民間の奨学金プロジェクトが支援を続けている。非正規滞在の子は中学までは就学援助を受けられるが、高校に進学すると公的支援から除外される。親も就労を禁止されているため極度の貧困状態にある。支援者は「味方はいると伝えたい」と強調する。

 「体調面に心配はある?」「卒業後の希望は」。関東地方で8月、中東出身の高1女子生徒(16)宅を訪れた大学生チューターが奨学金を手渡し近況を聞いた。公立高校の1カ月分の授業料に相当する1万円。生徒の両親は独裁政権から迫害を受け、7年前に家族で来日した。難民申請をして就労可能な資格で働いていたが...

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