
記者会見する石破首相。退陣する意向を表明した=7日、首相官邸
石破茂首相は、看板政策に地方創生や防災庁設置を掲げたものの、道半ばで退場する。生活に直結する物価高対策は、現金給付案を巡り迷走。自民党派閥裏金事件の解明や、「政治とカネ」の抜本改革も踏み込めなかった。日米関税交渉は合意にこぎ着けたものの、着実な履行に向けた課題が残る。
▽不発
「地方創生は最も成し遂げたかった。関税対応や防災庁、賃上げ、農政改革は次の政権に何としても引き継いでいただかねばならない」。首相は7日の記者会見で、未練をにじませた。
地方創生は初代担当相として思い入れが強く、6月に今後10年の指針となる基本構想を公表。若者や女性に選ばれる地方をつくると打ち出した。8日も知事らと官邸で...
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