
米ロサンゼルスで、セルヒオ・エルナンデスさん(右)と抱擁を交わして別れを告げるエレウテリア・カスティジョさん=8月(共同)
トランプ米政権の強硬な不法移民政策が、米国で長年暮らしてきた家族を引き裂いている。強制送還を恐れ、自ら出国して36年ぶりに母国メキシコに戻った女性は、子ども2人を米国に残し「人生の全てを置いてきた」と語る。二度と会えないことも覚悟している。
▽増える自発退去
「外出が怖かった」。ロサンゼルスで暮らしていたエレウテリア・カスティジョさん(66)は「不法移民は犯罪者だ」と主張するトランプ政権下での日々を振り返った。
事実婚相手のセルヒオ・エルナンデスさん(68)も米滞在資格がない。仕事や買い物で帰りが遅いと「強制送還されたのではないか」と案じた。
移民支援団体、北米メキシコ連盟評議会のフランシス...
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