オランダ・ハーグにある国際刑事裁判所
 オランダ・ハーグにある国際刑事裁判所
 取材に応じる国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長=15日、オランダ・ハーグ(共同)
 国際刑事裁判所(ICC)に対する米制裁の経過
 オンラインで取材に応じる上松健太郎弁護士
 国際刑事裁判所の赤根智子所長(左から2人目)のもとを訪れた名古屋大法科大学院の修了生ら=3月、オランダ(提供写真)

 オランダ・ハーグにあり、戦争犯罪や人道に対する罪を裁く国際刑事裁判所(ICC、赤根智子所長)本体に対し、トランプ米政権が国内資産凍結などの制裁を科すことが懸念されている。ICC非加盟ながら国際金融ネットワークを握る米国の制裁対象になれば活動が困難になり、ICCは存続の危機に追い込まれる。国際社会で「法の支配」の一翼を担う司法機関が、それに加わっていない米国に命運を握られるという理不尽な事態だ。

 「海の向こうの遠い話ではない」―。締約国は非難声明を発表し、日本国内でも、法の支配の崩壊に弁護士らが危機感を強めている。事態の打開に向け、締約国である日本政府の積極的な関与を求める声も上がっている。(...

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