
作品を金色で覆うのは「タイムカプセルのように、時間を閉じ込める感覚です」と語る豊福亮さん
黄金の装飾で埋め尽くされた壁や天井、室内に設置されたプールに浮かぶ小舟、妖しく輝くシャンデリアや、目から光線を放つ人形たちが織りなす異空間が訪問者を迎える。「瀬戸内国際芸術祭2025」で、アーティスト豊福亮さんは香川県小豆島の古びた倉庫を活用した作品「黄金の海に消えた船」を手がけた。「日常と違う領域で、普段とは違う考えを巡らしてほしい」と語る。
学生時代から、各地を訪れてはその地にまつわる伝承などをモチーフに、土地に根ざした作品を制作してきた。非日常の空間を作り出すのは、身近な日用品だ。洗濯ばさみやしょうゆ入れ、玩具、さらにはそれらを3Dプリンターでコピーして、物語に登場する天女や竜を形づく...
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