
危険ドラッグの幻覚作用の評価に使う装置を示す舩田正彦・湘南医療大教授=横浜市
麻薬や覚醒剤に化学構造を似せて作られ、同様の作用をもたらす危険ドラッグ。規制しても構造の一部を変えた化合物が新たに合成され、流通は続く。そうした中、検出法を工夫して薬物の素早い特定や取り締まりにつなげようとの取り組みも進んでいる。現場の研究者らを取材した。
▽大麻に類似
危険ドラッグ対策に詳しい湘南医療大の舩田正彦教授(薬学)によると、多くの種類がある危険ドラッグの中で特に深刻なのが、大麻の有害成分に似た作用を示す「合成カンナビノイド」だ。
構造を変えた薬物を合成しやすい特徴があり、厚生労働省は2013年、似た構造の化合物をまとめて規制する包括指定を導入した。だが、23年には合成カンナビノイ...
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