日朝首脳会談を打診した首相の狙いと課題
 日朝首脳会談を打診した首相の狙いと課題

 高市早苗首相が、北朝鮮に金正恩朝鮮労働党総書記との首脳会談を打診した背景には、拉致被害者家族が高齢化する中、膠着した拉致問題の打開を図る狙いがある。日朝交渉を進めた故安倍晋三元首相の「後継」をアピールし、自民党離れが指摘される保守層の支持を再び得たいとの思惑も透ける。ただ北朝鮮は「拉致問題は解決済み」との主張を崩しておらず、解決の道筋は見通せない。

 ▽師の背中

 「大切なお子さまを抱きしめることなく亡くなった親御さんの無念や、ご家族の焦りを胸に、全ての被害者の一日も早い帰国へ心血を注いでいく」。3日、東京都内。首相は拉致被害者の帰国を求める国民大集会で、自らの指導力により問題解決を目指すと宣言...

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