ルーマニアの保護区のヒグマ=2014年5月(ロイター=共同)
 ルーマニアの保護区のヒグマ=2014年5月(ロイター=共同)
 戯れるヒグマの親子=2009年6月、ルーマニア(ロイター=共同)
 高校に現れたヒグマ=2018年8月、ルーマニア(AP=共同)
 オンライン取材に応じる世界自然保護基金ルーマニアのクリスティアン・パップ博士=10月(共同)
 ルーマニア、スロバキア、チェコ、ハンガリー

 日本でクマ被害が深刻化する中、山岳地帯が広がる東欧ルーマニアやスロバキアでもヒグマが人を襲うケースが増えている。保護活動による個体数増加や森林開発などで人とヒグマの遭遇が頻発。当局は駆除許可枠を広げたり、電気柵を設置したりして対策に乗り出した。地域の神話にも登場するヒグマと人との伝統的な共生関係は崩れかけている。

 ▽緊張

 カルパチア山脈が広がるルーマニア中部の高級リゾートホテルに6月、体重約180キロのヒグマがドアをこじ開けて突如侵入した。従業員が避難するのを尻目に、ヒグマは朝食会場にたどり着くと蜂蜜を平らげた。

 報道によると、このホテルでは同じ6月に3件、ヒグマ侵入が起きた。昨年8月には周...

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