無名異焼 挑戦重ね深化
佐渡・無名異焼の伊藤赤儘(せきじん)と六代を襲名した栄傑(ひでたけ)・伊藤赤水の特別展が雪梁舎美術館で開催される。
無名異焼は佐渡金山などで採れる赤土を原料としている。そのため伊藤家は、佐渡金銀山と深い結びつきを持って陶業を続けてきた歴史がある。
先祖が江戸時代の延宝2(1674)年、加賀(石川県)から金銀山採掘に欠かせない技術者集団として越佐海峡を渡ったのが始まりだ。精錬作業では、鉱山で掘り出された鉱石を溶鉱炉に入れて木炭で囲み、燃焼の温度を上げるために踏鞴(ふみふいご)で風を送る。伊藤家はその送風管の先端に付ける耐火性の羽口(はぐち)を作り、代々羽口屋を営んできた。
江戸後期からは陶器や...
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