米ホワイトハウスで、子どもの自閉症について記者会見するトランプ大統領(手前)とケネディ厚生長官=9月22日(ロイター=共同)
 米ホワイトハウスで、子どもの自閉症について記者会見するトランプ大統領(手前)とケネディ厚生長官=9月22日(ロイター=共同)
 解熱鎮痛剤タイレノール=9月24日、米ペンシルベニア州(ロイター=共同)
 ケネディ米厚生長官(奥)とトランプ大統領=16日、ホワイトハウス(ロイター=共同)

 トランプ米政権が妊娠中の解熱鎮痛剤の服用は子どもの自閉症に「関連がある」と主張、混乱が広がっている。背景には医療の在り方に不信感を持つ支持層受けを優先する姿勢があるが、科学的根拠は乏しく、世界保健機関(WHO)は批判。科学軽視が行き過ぎ、揺らぎつつある米国の公衆衛生政策への信頼が一気に失われる恐れもある。

 ▽診断増加

 「タイレノールは良くない」「服用しないで」。トランプ大統領は9月下旬、ケネディ厚生長官らとホワイトハウスで記者会見し、繰り返した。解熱鎮痛剤タイレノールの有効成分アセトアミノフェンを含む薬は、妊婦が安全に服用できる数少ない薬として世界中で利用されている。

 米疾病対策センター(C...

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