
畑でアプリを見ながら収穫間近のトマトの出来栄えを確認するサントス=2025年8月、リスボン郊外(撮影・乾祐綺、共同
初夏のリスボン郊外。大河テージョ川沿いにトマト畑が地平線まで広がっている。農業指導員ヌーノ・サントス(42)は、複数の農家に翌日の作業アドバイスをするため毎日のように電話をかける。「水をまく時間の間隔をもう少し空けた方がいいね」
サントスが見ているのは、最適な水やりのタイミングを人工知能(AI)が提案するトマト栽培支援アプリだ。長年の栽培経験があるサントスは、自分の勘と最先端のAI技術を使い、トマトの「声」を聞いている。
8月下旬。今年も真っ赤に色づいたトマトが収穫の最盛期を迎えた。
▽帝王学
ポルトガル中部にあるサンタレンでトマト農家の長男として生まれた。曽祖父の代からトマトを作り続けてき...
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