
鹿児島大の研究センター内で焼酎を持つ吉崎由美子准教授=鹿児島市
焼酎の成分はエタノールが25%、水が74・8%で、香味成分は残りの0・2%しかない。吉崎由美子さんは、このわずかな成分が、チョコレートやライチ、バナナなど多様な芋焼酎の香りを生み出すと言う。香りは、原料のサツマイモの状態、こうじや酵母の種類、蒸留方法などによって生み出される。ただ香りはくせ者で「検出機器では計れず、人の嗅覚でしか感じられないものがある」と吉崎さん。機器には掛からない微量な成分も見逃せない。
「いま科学的に分かっている香りの成分を混ぜ合わせても、芋焼酎や黒糖焼酎は再現できない。0・2%のさらに奥がある」と力説する。吉崎さんが感じるのは製造に携わる人間の働きの重要性だ。「焼酎は自...
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