山形県酒田市沖の飛島に漂着したプラスチックごみ=2025年6月
 山形県酒田市沖の飛島に漂着したプラスチックごみ=2025年6月
 1952年に青森県沖で採取された海水から見つかったプラスチックごみ。戦後の日本近海の状況を示す貴重な資料だ(高橋一生・東京大教授提供)
 微小プラスチックの検出が報告された人体の主な部位

 レジ袋から航空機まで、あらゆる製品に使われるプラスチック。生活を便利にする一方で、流出したプラごみは海を漂い、環境を汚染する。特に心配されるのは、劣化して微粒子になった微小プラによる生態系や人体への影響だ。最近の研究から現状を見た。

 ▽続く汚染

 山形県酒田市沖の日本海に浮かぶ離島・飛島。6月の週末、ボランティアら約70人が、島の西側にある荒崎海岸に集まった。目的は漂着ごみの清掃だ。壊れた籠やペットボトル、漁網などが帯状に散乱している。大半がプラスチック製だ。

 清掃活動の運営に携わる地元NPO法人「パートナーシップオフィス」の金子博副理事長によると、飛島の海岸には20年ほど前まで、プラごみが1...

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