
ゴーグル型の仮想現実(VR)装置を手にする梅津円さん=東京都港区
話し言葉が滑らかに出てこない「吃音症」。成人の約1%にある一方、周囲の理解や支援は十分とは言えず、人前で話すことに苦痛や恐怖を感じる人も多い。こうした不安の軽減には、段階的に経験することで慣れさせる暴露療法が有効とされ、仮想現実(VR)技術を使って苦手な場面を体験する新たな取り組みが進む。
▽9%が経験
吃音は「ぼぼぼぼく」のような音の繰り返しや、「カーーーラス」と引き伸ばす発声、出したい音が出せないといった症状が特徴の言語障害で、主に幼少期に発症する。「どもり」とも呼ばれ、かつては親の育て方や心理的な問題が原因とされたが、近年、遺伝などの体質的要因が大きいことが明らかになっている。
国立障...
残り1143文字(全文:1443文字)





















