
保阪正康さん
私は戦前・戦中の政治家を見る尺度として、二つの点を大切にしている。一つは、東条英機内閣にどのような態度で対応したか、もう一つは日中戦争や太平洋戦争の終戦工作に関わりを持ったか否か、という点だ。
東条内閣は軍事独裁政権と言われるが、実際に政治支配を見ていくと「行政独裁」というべきで、軍事上の大権(統帥権)を行政の各分野で機能させたと言って良いように思う。立法府は全く無視していたと言っても良い。そこに抵抗したか否かということだ。
▽ヤマ場
この10月に、石破茂前首相は、内閣総理大臣所感「戦後80年に寄せて」を発表した。戦後50年(村山富市首相)、60年(小泉純一郎首相)、70年(安倍晋三首相)の...
残り1574文字(全文:1874文字)











