昨年の新語・流行語大賞では、大賞候補の30語に「チャッピー」があった。AIになじみが薄い人は初めて聞いた言葉かもしれない。愛犬の名前ではなく、米オープンAIが開発した対話型生成AI・チャットGPTの愛称だ

▼生成AIが新語・流行語大賞のトップテンに選ばれたのは2023年のこと。この間に愛称で広く呼ばれるほど身近な存在になった

▼電通が昨年の夏、AI使用者を対象に行った意識調査で、回答者の65%が対話型AIは感情を共有できる相手だと答えた。親友や母親と同じ水準で、特に10代と20代は7割を超えた。AIで調べ物をするだけでなく、親友や母親に対するように話したり相談したりする現実がある

▼アナログ世代としてはかなり驚くが、若い世代とAIの関係をのび太とドラえもんの関係になぞらえるとイメージが湧いてきた。「ねえねえ、ドラえもん」という感じかもしれない

▼ドラえもんはのび太の相談に乗り、遊び、褒めて、助けて、怒って成長を後押しする。のび太もドラえもんに頼らず、自分で解決しようと努力する物語もある。のび太が時には自立しようとするように、AIとの関係も頼り切るのは避けるべきだ

▼ちなみにこの調査で父親、上司・同僚、配偶者に対し、感情共有できると答えたのはいずれも4割前後にとどまった。AIはどんなときも対話をし「忙しいから後で」とはしない。AIとの関係を考えるだけではなく、まずは身近なパートナーの言葉にきちんと向き合いたい。