燕市で七十二候写真展が開かれていると本紙地域面が伝えていた。季節を具象化するユニークな発想だ。気候の推移を太陽の推移で示す二十四節気を、それぞれ三つの時候に細分化したのが七十二候で、ちょうど今日から「水泉動(しみずあたたかをふくむ)」となる
▼小寒から大寒へと続く厳冬期だが、地中深くでは凍った水が静かに解けて動き出すとされる。二十四節気は中国の季候に基づくため日本とは多少ズレがあるものの、春に向かう準備の始まりをイメージすれば、少し勇気づけられる
▼そんな気持ちを受験生とも分かち合えたらいい。1週間後には大学入学共通テストが始まる。もしかしたら、やり残しへの焦りや言い知れぬ不安を、抱えているかもしれないからだ
▼積み重ねた頑張りは気付かないうちに身についていくもの。たとえ模擬試験に成果が表れていなくても、学力は地下水が動くように静かに定着してきている、そう信じよう。その先の春を励みにしたい
▼新潟市と五泉市ではあす、従来の成人式にあたる二十歳の集いが開かれる。荒天の予報だが、こちらは一足早い春到来といえるか。中越地震の翌年度に生まれた世代が対象で、未知の脅威だった新型ウイルスに中3時代を翻弄(ほんろう)された学年でもある
▼地下茎が地中で養分を蓄えて成長するように、いつの間にか一丁前の頼もしいことを言うようになったと、驚いたり、うれしかったり、ちょっとさみしかったりする保護者もいるだろう。とにもかくにも祝二十歳。
