犠牲者が増え続けるウクライナからのニュースに触れるにつけ、自問自答する。こうしている間にも、丸腰の市民が命を落としている。一刻も早く、停戦に至る落としどころを探らねば

▼いや待て。落としどころを探るということは、双方が妥協するということ。今回の戦火はロシアの侵攻がもたらした。力による現状変更を認めていいのか。ウクライナにすれば、戦闘で優位に立って交渉しなければ多大な譲歩を迫られる。そうは言っても、人の命が失われていくのは耐えがたい…

▼簡単に答えは出ない。実際に考慮せねばならない要素はもっと多くあるだろうから、答えを探す作業はきっと困難を極める。そんな難問に結論を出す作業が政治であり、その決断を下すのが政治家だろう

▼わが国の政治家も時には人命に関わる決断を迫られるはずだ。国会議員は地域の課題から国の行く末に関わる問題まで広く扱う。国政の一角を担う参院議員を見定める選挙戦がきょう始まる

▼参院は衆院の議決を追認するだけの「カーボンコピー」と揶揄(やゆ)されることもあるが、熟議が期待される「良識の府」である。「緊急集会」という独自の役割も任されている。衆院の解散中に国会の議決を必要とする緊急事態が起きた場合に国会機能を担う

▼選ぶ側も心して投票先を吟味せねば。そう言うと、一票を投じる責任の重さに尻込みする人もいるだろうか。しかし、投票しようという思いは吟味に向けた第一歩でもある。まずは投票をする意思を固めたい。

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