疲弊による悪循環を絶たねばならない。子どもたちにしわ寄せが及ぶことのないよう、負担軽減が急務である。
全国の公立小中高校と特別支援学校で、2025年度の始業日時点に当初計画通りに配置できなかった教員の数が計4317人に上ったことが、文部科学省の調査で分かった。
初めて調査した前回21年度に比べ1・7倍に増えた。危機的な増え方である。
産休・育休の取得者の増加や、少人数指導の特別支援学級の増加を不足の要因として挙げる教育委員会が多かった。
本県は、新潟市教委が管轄する学校は不足なく配置できていたが、県教委では小中高など604校中61校で78人が不足していた。
前回21年度の不足は県立高の1人だけだったので、本県も急速な悪化である。
調査では地域差が浮かび上がった。都道府県と政令指定都市などの68教委のうち、東京都など9教委は不足ゼロだった。一方、島根県などでは不足が生じた学校の割合が30%を超えた。
平等であるべき教育に差が生じる事態は避けねばならない。
全国の小学校では5月になっても約1千人分の学級担任が埋まらず、校長や少人数指導のために配置した教員らがカバーしていた。
そうやって休職者の穴を埋めるために他の教員の負担が増し、ドミノ倒しのように病気休職を招くケースが聞かれる。
子どもたちにきめ細かく対応したくとも、疲弊していては、それも難しい。さらに、ストレスを抱えた教員の姿は、なり手を遠ざけるばかりだろう。
25年度に採用された全国の公立学校教員の選考試験競争率は、小学校2・0倍、中学校3・6倍、高校3・8倍と、いずれも過去最低だった。
多忙感の解消が求められる。しかし、24年度の月平均残業時間が国の指針で定める上限45時間を超えた教員の割合は、中学校で39・5%に達した。
文科省が教委を通じ、各学校が把握する勤務時間データから調べたもので、過労死ラインとされる月80時間を超える長時間労働も7・4%あった。教育現場が残業頼みに陥っているのは明らかだ。
調査結果に反映されない「隠れ残業」の存在も放置できない。教材作りなどの授業準備を自宅に持ち帰らざるを得ない状況を変えなければならない。
業務の自宅への持ち帰り状況を把握している教委は43・0%にとどまっている。働き方改革のためには、残業実態をつぶさに把握する必要がある。
子どもたちの学びの質をいかに保っていくか。そのためにはまず、教員の熱意に頼った窮状を社会が直視すべきである。

