きょうは新年から半年の厄払いをし、疫病退散を祈る日だ。その夏越(なごし)の祓(はらえ)に「茅(ち)の輪くぐり」がある。今年前半もウイルス禍は続き、ウクライナではむごい戦火が広がった。明日から後半は災厄をなんとか収めたい。願いはいつもより切実だろう

▼6月30日に「夏越ごはん」を食べて猛暑を元気に乗り切ろう。そんな行事食が広がりつつある。かき揚げなど、茅の輪をイメージした丸い食材を乗せたどんぶりが代表例らしい。夏野菜の輪切りを散らした冷やし汁など、円形や輪が絡めばいいようだ

▼2015年に米穀安定供給確保支援機構が「夏越ごはんの日」を定めた。コメの食文化を見直し、消費の拡大が目的だ。首都圏を中心に、この名の商品を出す百貨店やスーパーもあるという

▼「業界のPRか」なんて言うことなかれ。思えば土用の丑(うし)の日の名物は、人気のないうなぎ店のため、博物学者の平賀源内が丑の日に宣伝の張り紙を出したのがきっかけという説がある

▼2月の節分の恵方巻きも大阪に伝わる商売繁盛の祈願食を、のり業界がすし店と近年復活させた。それをコンビニが売り出し全国区になった。業界主導とはいえ、品物に込められたストーリーが楽しく、うまければ大歓迎という人は少なくないはずだ

▼夏は、小麦が原料の冷やし中華やそうめんが欠かせない。戦火で小麦の国際価格が高騰する一方、コメの消費は50年で半減した。コメ生産が全国一の本県である。今晩くらい「わが家流夏越ごはん」を楽しみませんか。

朗読日報抄とは?