
米国とイランが停戦合意し、エネルギー輸送の要衝ホルムズ海峡が安全に航行できる見通しとなった8日、燃料価格の高騰を懸念してきた農業者や県民からは情勢が落ち着くことを期待する声が上がった。一方、発言が二転三転するトランプ米大統領の動向に不安を感じている人もいた。
「米価が下がっているところに燃料費が上がってくると、価格転嫁できないので困る。5月半ばから田植えが始まるので停戦で一安心している」。津南町の農家(78)は胸をなで下ろした。
中東情勢の悪化は原油高を招き、農家は軽油や農業資材などの価格高騰に不安を募らせていた。
農家はトラクターでの田起こし作業などのため、1年間で最も燃料費がかかる時期を迎えている。長岡市の農業法人社長、駒野亜由美さん(47)は「ほぼ毎日、給油が必要なので安心した。農業は米価高騰や政府の増産方針撤回など、国内外の情勢に振り回され続けている。状況が落ち着くことを願っている」と期待した。
津南町の農事組合法人代表理事、桑原健さん(44)は田植えを前にした停戦合意に安堵(あんど)しつつ、「攻撃が停止されて2週間後にどうなるか分からないという不安はある。トランプ大統領は言うことがころころ変わるので心配だ」と語った。
上越市の自営業者(75)は「商品のパッケージや電気代が上がっているが、商品の値上げはしづらい」とし、「早く戦闘が終わって、物価が落ち着いてほしい」と願う。
2月下旬からの戦闘で、イランでは民間人を含め約2千人以上が死亡した。上越市のアルバイトの女性(70)は「トランプ大統領に世界中が振り回されている。命が簡単に奪われている気がして切ない」と嘆いた。
◆県内の運輸、製造業者…安堵と警戒入り交じり
米国とイランの停戦合意発表を受け、県内の運輸、製造業の間に一定の安堵(あんど)感が広がった。ただ、エネルギー輸送の要衝ホルムズ海峡を通航する船舶が拡大するかは見通せず、原油価格の先行きも不透明だ。燃料の供給不安改善や石油製品の価格抑制につながるのか、関係者は事態を注視する。
トランプ米大統領は、ホルムズ海峡開放を条件にイランへの攻撃を2週間停止すると表明。これを受け原油先物価格は下落した。
「手元に軽油が入ってくるのか、価格が上がらないのかが重要だ」。県トラック協会の土田泰之専務理事は、こう強調する。
県内の軽油供給は厳しいという。運送業者の中には、自社備え付けのタンクへの供給量が小売りから制限されたところもある。加えて燃料だけでなくエンジンオイルの価格も上がり始めた。「停戦合意の行方とともに、その後の油の動向を注視している」と楽観視できない状況は続く。
新潟市内の運送業者も「停戦合意は何もないよりはいい。正常化に期待するが、すぐに油の供給が改善するものではないだろう。しばらく様子見だ」と語った。
石油関連の製品を扱う製造業も事態の推移を見守る。「不透明な状況に変わりはない。どの業界も苦しいと思うので、早く収束に向かってほしい」と期待するのは、住設・暖房機器製造のコロナ(三条市)。製品製造自体に...











