一橋大教授の江藤祥平さん
 一橋大教授の江藤祥平さん

 「自衛官が国歌を歌って何が悪い」。これは、12日の自民党大会で自衛官が制服を着用して国歌を歌唱したことを批判する声に対して、交流サイト(SNS)上で私が目にした反応である。たしかに、自衛官が国歌を歌うこと自体は悪いことではない。むしろ、外国の国家元首など重要人物を政府が迎える際に、公式歓迎行事の一環として自衛官が国歌を演奏することは、厳粛な行いとして評価されるべきだろう。

 しかし、今回は状況が違う。一政党の党大会で、自衛官が私人として、国歌を歌うとなると、自衛官の「政治的中立性」に疑義を生じさせる。

 言うまでもなく、公務員たる自衛官は「全体の奉仕者」であって、「一部の奉仕者」ではない。自民党は国...

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