備えは万全か確認し、いざというときに命を守るための対応を急がねばならない。不確実な情報に振り回されることのないよう、冷静な行動を心掛けたい。

 三陸沖を震源とするマグニチュード(M)7・7規模の地震が20日発生した。岩手県の久慈港で80センチなど、北海道から福島県までの太平洋沿岸に津波が到達した。一時、5道県で18万人超を対象に避難指示が出された。

 気象庁は巨大地震発生の可能性が相対的に高まったとして、北海道・三陸沖後発地震注意情報を発表した。1週間は社会活動を継続しつつ、すぐに逃げられる態勢の維持などが必要だ。

 地震は日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の想定震源域で発生し、精査した結果、情報の発表基準を超えた。北海道から千葉県にかけての7道県が対象となった。

 内閣府によると、1週間以内にM8以上の地震が発生する確率は平常時の約0・1%に対し、約1%に高まった。注意情報は昨年12月に続いて2度目の発表である。

 前回の発表期間終了後に、北海道大と関西大が行ったインターネット調査では、注意情報の認知度は高かった一方、実際の備えに結びついた割合が低く、何もしなかった人は3割に上った。

 2011年3月の東日本大震災は、発生の2日前に東北沖でM7・3の地震が起きている。

 油断することなく、身の回りの安全を確認し、どうすれば自分や大切な人の命が助かるかを考える機会にしなければならない。

 事前に避難する必要はなく、これまで通りの生活を送りながらの「特別な備え」が呼びかけられている。身分証明書や貴重品など非常用の物を常に持ち歩く、就寝時にすぐ避難できるよう靴を近くに置くといった対策だ。

 18日には長野県北部を震源とする地震があり、長野県大町市で震度5強を観測した。14年にはこの地域で最大震度6弱の地震が発生するなど、元々大きな地震が起きやすい地域である。

 気象庁は1週間は同程度の揺れをもたらす地震に注意するよう呼びかけている。上越地域など近隣の人も警戒を続けてほしい。

 気がかりなのは、誤情報や偽情報の拡散だ。過去の災害でも、交流サイト(SNS)などで地震に関する悪質なデマが拡散され、問題となった。

 昨年7月のロシア・カムチャツカ半島付近を震源とした地震では、近く日本でも地震が起きると示唆する偽情報などが広がった。

 近年の人工知能(AI)で作られた偽情報を見破ることは難しい。災害に関する情報に触れた際は、信頼できる発信者かどうか確認する必要がある。

 不確かな情報を不用意に拡散することがないように、慎重な対応が求められる。