取材に応じる元首相補佐官の矢田稚子さん=1月
取材に応じる元首相補佐官の矢田稚子さん=1月
「女性の経済的自立に向けたデジタル人材育成を考えるシンポジウム」で挨拶する矢田稚子さん=3月、東京都千代田区
参院本会議で質問する矢田稚子氏=2016年9月
女性活躍推進の政府プロジェクトチーム会合で発言する矢田稚子首相補佐官(右端)=2024年9月、首相官邸
所得は給与、退職金、年金などの合計。就労継続・正社員は22歳で就職し、出産後1年育休を取った後、65歳で退職したケース。再就職なしは、第1子出産後、29歳で退職したケース(女性の職業生活における活躍推進プロジェクトチームの提出資料による)
「官民連携DX女性活躍コンソーシアム」が発足し、シンポジウムであいさつする矢田稚子元首相補佐官=2025年7月、東京都千代田区

 ジェンダー平等が世界最低レベルに沈む日本で、男女の賃金格差は大きな課題となっている。元首相補佐官の矢田稚子さん(60)はその改善に取り組んできた一人だ。民間企業や国会議員を経て、岸田、石破両政権で首相補佐官を務め、今は官民の橋渡し役を担う。

 どの立場でも一貫して女性の働き方に向き合ってきた姿勢の根底にはどんな経験があるのか。近くで見た元首相らの姿も交えながら、矢田さんにとっての働くことの意味を語ってくれた。(共同通信=池上いぶき)

 ▽ヤングケアラーだった

 10代の頃から、仕事は日々食べていくための手段でした。大阪の実家には借金があり、私は5人きょうだいの長女。弟や妹たちの面倒をみて、体調を崩しがち...

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