4年前の本県知事選以降、全国の都道府県で50回の知事選が行われた。このうち34の選挙で現職が当選している。直前に失職して出直しを図った前職1人を含めると全体の7割に相当する

▼ほかに新人同士が争った選挙が11あり、現職が新人に敗北したのはわずかに石川、長崎、奈良、徳島の4県にとどまる。いずれも保守勢力が分裂しての“政権交代”だった。時々の風が結果を左右する国政とは、少し趣が異なる

▼米軍基地問題を抱える沖縄県やリニア新幹線への対応が問われた静岡県、大阪都構想を引きずる大阪府など、時として固有課題が地域を二分する選挙もある。きのう告示の本県知事選も、本来は県民にとって重大な問いに、正面から向き合う機会になり得たはずだった

▼柏崎刈羽原発の再稼働を巡っては、多くの住民が自らの意思を示したいと望んだ。熱量ある運動も展開された。しかし直接的な機会はないまま既に6号機の原子炉は起動し、営業運転も始まった

▼知事選でいまさら何を…と嘆息する有権者がいてもおかしくないが、原発を巡り声を上げた人々が元々問いたかったのは、新潟がこれからも住み続けていきたいと思える地になるかどうかではなかったか

▼人口が減り、空き家が増え、地域社会が維持していけるのか底知れぬ不安が漂う。この地で希望や誇りを持って暮らすため、先頭に立つにふさわしい人は誰なのか。言葉に嘘がなく信頼に足る人は誰か。目を凝らし、耳を澄ませる17日間の選挙戦が始まった。