子どもたちの安全を第一に考えねばならない。遠征の実態を把握し、どういった問題があるのか検証する必要がある。
文部科学省と国土交通省は、部活動の遠征や課外活動の安全対策を検討する連絡会議の初会合を21日に開いた。
福島県郡山市の磐越自動車道で新潟市中央区にある北越高の男子生徒1人が亡くなるなどしたマイクロバスの事故を受けたもので、再発防止のための有効な対策を考えていくことになる。
バス事業者などへのヒアリングを行うほか、レンタカー事業者、部活動や課外活動の関係者らの意見を聞いて実態把握に努める。
事故を受け文科省は全国の教育委員会などに対し、バス事業者と適切な契約を結ぶといった安全確保の徹底を求める通知を出した。乗車時に事業用の「緑ナンバー」か確認することなどを求めた。
部活動で移動中の事故はこれまでにも各地で起きている。2016年には石川県で中学校の野球部員らが乗ったマイクロバスとワゴン車が正面衝突し、生徒2人が亡くなった。
文科省は各学校に「危機管理マニュアル」の策定を義務づけ、部活を含めた校外活動では関係者との事前協議による安全確保を求めるが、具体的な運用は学校現場に委ねているのが実情だ。
安全対策を学校にだけ任せるのでは、教職員の負担が重過ぎる。
香川県教育委員会は1994年に県立高野球部員2人が死亡したバス事故を受け、部活などでバスの運転を担う教職員を対象に、座学と実技を組み合わせた安全運転講習を毎年実施する。
こうした事例を参考に、安全確保策を整えねばならない。
専門家からは遠征ありきの部活動の見直しを求める声も上がる。
部活動では他校との交流試合を通した競技力向上を目的に、長距離の遠征が頻繁に行われている。大勢の部員と競技の道具を運ぶため、学校や保護者の費用的な負担も大きい。
部活動に詳しい専門家は「学校現場に負担を強いてまで遠征を続ける必要があるのか」と疑問を投げかける。
持続可能な部活動の在り方を考える機会にもしていきたい。
磐越道の事故を巡っては、自動車運転処罰法違反の疑いで逮捕された運転手の立ち会いで実況見分が実施されたほか、自宅への家宅捜索も行われた。事故が起きた経緯を明らかにしてほしい。
北越高と、バスを手配した五泉市の蒲原鉄道は20年を超える関係があった。両者のなれ合いで、本来必要な安全確認が欠落していなかったか、真相の解明も進める必要がある。
子どもたちが安心して部活動に励むことができる環境を一刻も早く整えねばならない。
