平和への思いを込めて演奏された被爆ピアノのコンサート=20日、新潟市西区
平和への思いを込めて演奏された被爆ピアノのコンサート=20日、新潟市西区

 原爆が投下された広島で、奇跡的に焼け残った「被爆ピアノ」のコンサートが、20日の新潟市西区など県内各地で巡回開催された。原爆の恐ろしさを忘れないでほしいと、新潟県生活協同組合連合会などが企画し、美しい音色に聞き入った。

 爆風でガラスの破片が突き刺さり、傷が残るピアノは、爆心地から2・6キロ離れた民家で被爆したが再生され、被爆2世の矢川光則さん(69)=広島市=が調律した。ピアノと共に全国を巡る矢川さんは「平和は、訴える行動を取ることで保たれる。このコンサートもそのきっかけになってほしい」と願いを込めた。

 20日のコンサートには約60人が参加し、親子や姉妹での連弾や、ピアノに合わせたコカリナの演奏などが披露された。新潟市江南区の男子中学生(14)は「被爆ピアノの音色を聞いて、改めて戦争の悲惨さを肌で感じた。平和のために自分も行動を取りたい」と決意を新たにした。