教えるだけより教え合う方がお互いの成長につながると思う。認めるだけより認め合う方が信頼は深くなる。そして、支えるだけより支え合う方が暮らしやすい社会になるはずだ
▼そんな風に感じさせる記事を、インターネットで見つけた。東京都内のマクドナルドで今春アルバイトを始めた、ダウン症の男子高校生のことを共同通信が報じていた
▼高校生は周りの人々に助けられながら、見守られながら働いている。でも、それだけではない。「人と会うのが好き」という彼はいつも一生懸命で、誰にでも元気にあいさつをする。その姿に同僚は「接客の原点」を教えられているという
▼高校生と周囲の人との関わりは「助け」「助けられ」のような一方通行ではない。母親や店長ら同僚たちは、彼と互いに気持ちを行き来させているようだ。そんな様子が読後を温かい気持ちにさせる
▼ダウン症を巡っては、胎児の染色体異常を調べる出生前診断を希望するケースが増えているという。高齢出産の増加が一因にあるようだ。県内のある病院では近年、陽性診断を受けて妊娠を継続した人はいなかった。そうせざるを得ないのは、私たちの社会のありように起因するのだろう。障害者とその家族にとって、厳しい社会であることは現実だ
▼支え合いが当たり前と思える社会で暮らしたい。アルバイトに励む男子高校生がニュースにならない社会になってほしい。記事は新潟日報社も加盟するニュースサイト「47NEWS」で読むことができる。