街で勉強する高校生を最近よく見る。公共施設や商業施設、ファストフード、コーヒー店…。机に教科書や参考書、ノートを広げ、ペンを走らせている。昔はそれほど見なかった風景だ
▼家は誘惑が多い、ガヤガヤしている方が集中できる、周りに人がいて適度な緊張感があっていい、友達がいる-。「街勉」の理由はさまざまなようだ。一心不乱に問題を解く生徒や、勉強の合間にふざけ合う生徒。目に入ってくる青春の一コマに、こちらも元気をもらう
▼長岡市役所は庁舎の一画に勉強用のスペースを設けている。さすが「米百俵」の地だ。戊辰戦争後、将来を担う人材を育てるため義援米を学校設立資金に充てた先人の精神が息づいている
▼少子高齢化で人口減少が進む。先日の本紙には、対策を打たなければ2050年に県人口は141万人になると報じられていた。現状から約80万人の減少だ。人口予測をした「持続可能な地域社会総合研究所」は20代の流出が多く、30、40代のU・Iターンが少ないと分析する
▼青春時代が楽しくないと人は故郷を出て、帰ってこない-。そんな話を聞いたことがある。確かにそうだ。青春時代がつらかったという人は、青春を過ごした土地も好きにならないだろう
▼そう考えると、楽しく充実した青春を過ごす場や環境をつくることが、人口減を食い止める鍵になるかも。街の勉強スペースも青春の舞台。一人一人の青春ドラマが展開されている。地域の未来のためにも、良き青春であれと願う。