県内は雪の日が続く。きのうの津南町は積雪が2メートルを超えていた。大量の雪は暮らしに多大な影響を及ぼすけれど、貴重な資源でもある。雪がもたらす豊かな水資源は、農業をはじめとする多彩な産業を支えている
▼本県を含め、この国には「名水」と呼ばれる湧き水や清水などが数多くある。空から舞い降りた雨や雪が大地に染み渡り、地層にろ過されて清らかな水となる。その水を私たちは川や井戸から得て暮らしている
▼多くの人が雨水をためて飲用にしている国もある。海底火山の大規模噴火があったトンガもそうだ。大量の降灰に見舞われており、飲み水確保に深刻な影響が出ている。トンガ議会の議長は声明を出し「国民に新鮮な飲み水と食料を提供するため、早急な支援を必要としている」と訴えた
▼日本では地下深くの地層が雨水を浄化する天然のろ過装置になっている。トンガは約170の島で構成されており、小規模な島では水源も限られるだろう。当分は火山灰で汚染された水を飲めるようにするため、浄水器やろ過設備が必要なのかもしれない
▼日本政府は自衛隊機で飲料水を運ぶ方針だ。今後、火山灰を取り除くための高圧洗浄機も送ることにしているが、新型ウイルスを持ち込まないように慎重な作業が必要だという
▼県内は雪化粧で白く染まっている。一方、噴火後のトンガで撮影された写真は街が灰色に塗りつぶされていた。東日本大震災の際は、義援金などで手を差し伸べてくれた国である。恩返しの時だ。