きょうから今冬最強クラスの寒波が到来するという。思わず身震いしそうになるのは寒さのせいばかりではないだろう。豪雪で社会機能がまひしないか。猛吹雪が思わぬ事故を引き起こしたりしないか。低温が水道管を凍結させはしないか。心配の種は尽きない
▼寒の波と書いて寒波である。寒気との違いは何だろう。気象庁のウェブサイトに用語の説明があった。寒気はその名の通り「周りの空気に比べて低温な空気」。寒波は「広い地域に2~3日、またはそれ以上にわたって顕著な気温の低下をもたらすような寒気が到来すること」だという
▼広範囲に寒気が波のように襲来する状態を指すようだ。荒れた日の日本海を眺めると、白い波が絶えず押し寄せる。気象衛星の画像で、冬に筋状の雲が幾重にも伸びる姿と、どこか通じるものがある。見ているだけで体温を奪われそうになる
▼支持率が低迷する岸田文雄政権にとっては、寒波に身構えるような150日間になるのか。通常国会がきのう開会した。国民的な議論がほとんどないまま政権が決めた、原発や防衛についての方針転換がようやく国会で議論される
▼旧統一教会と政治との関係も含め、政権は説明に後ろ向きだった。そうした姿勢を続けるならば、有権者からの視線はいっそう冷え込むだろう
▼この冬も、県内をはじめ各地の雪道で大規模な渋滞や立ち往生が起きている。国会の展開によっては、政権が立ち往生することだってあるかもしれない。審議の行方を注視する。