今季最強の寒気が日本列島上空に流れ込み、本県でも各地で強い雪が降っている。
昨年12月の記録的な大雪は交通機能をまひさせ、県民の生活にも大きな支障を与えた。これまでの経験と教訓を生かし、細心の注意を払って被害を防ぎたい。
気象庁は、日本列島の上空にこの冬一番の寒気が入り、強い冬型の気圧配置が続くとして、本県を含む日本海側を中心に26日まで警報級の大雪と暴風に注意を呼び掛けている。
短時間で積雪が急激に増える恐れがある。気温も全国的にかなり低くなり、10年に1度ほどの寒さになるとみられる。
最大限の警戒が必要だ。最新の気象情報を確認しながら、命と暮らしを守る対策を徹底したい。
県内では24日、列車やバスなど公共交通機関の運行見合わせや遅れが生じた。高速道路や国道も通行止めとなった。
雪による事故を避けるためにも、不要不急の外出は控えたい。テレワークが可能な職場なら、積極的に実施してほしい。
昨年12月の大雪では佐渡市などで停電が発生し、多くの世帯が暖房を使えなくなった。水道管も破裂し断水状態が長期間続いた。
高齢者らが除雪作業中に亡くなり、車内での一酸化炭素中毒による死者も出た。中毒事故は、エンジンをかけた車のマフラーが雪で埋まり、排ガスが車内に入り込んだのが原因とみられる。
今回も停電や凍結による断水が心配だ。水や食料、燃料などの備えを改めて確認してほしい。
1人での除雪作業も控えたい。視界の悪い降雪時はなおさらだ。
やむを得ず車を運転する場合はスコップはもちろん、立ち往生した際に他の車にけん引してもらうためのロープも用意してほしい。水や食料、毛布や簡易トイレなども欠かせない。
気になるのは道路状況だ。
国土交通省や東日本高速道路は大雪予報を踏まえ、県内の国道や高速道路の予防的な通行止めを実施する場合があるとした。
国交省は、降雪量が1時間当たり10センチ以上になった場合などに、国道の通行を止め、集中除雪することも決めた。24日には村上市の国道7号をはじめ、北陸道、上信越道が通行止めになった。
昨年12月の大雪時は、柏崎市の国道8号などで大規模な車両立ち往生が発生した。
国道と並行する高速道が先に通行止めとなったことで国道に車両が集中したことや、想定を超える大雪で除雪の態勢が後手に回ったことが要因だったとしている。
教訓を重く受け止め、事故防止と混乱回避に尽力してほしい。
国や自治体など関係機関は連携を密にし、適切な情報を発信していくことが求められる。地域も協力し合って寒波を乗り切りたい。
