新型ウイルス感染拡大は、佐渡、粟島の離島航路も直撃した。旅客、輸送需要が落ち込み、汽船会社は債務超過で苦境に陥った。それもあり深くうなずいた。先日の国会での、小川淳也・立憲民主党政調会長の代表質問だ

▼小川氏は質問で、離島航路を巡る問題を取り上げた。一言でまとめれば、航路を守らなければという趣旨だ。印象に残ったのは「公助」を強調した部分だった

▼離島航路を含む国内公共交通は独立採算が基本で、赤字となれば地域に欠かせない交通手段が揺らぐ。そんな現状に強い疑問を呈し、公共交通の名にふさわしく、独立採算の原則を見直してでも地域の足を確保すべきだと熱っぽく訴えた

▼小川氏の選挙地盤は、小豆島や直島などを含む衆院香川1区だ。現場をよく知るからこその主張だろう。離島の超高齢化や感染収束後のインバウンド拡大の可能性、欧州の取り組みを例にコスト引き下げなどにも言及した

▼質問でも触れられていたが、日本には400余りの有人離島があり、計40万人が暮らす。国民全体から見れば、離島に住む人々の割合はわずかかもしれない。しかし航路は島民の命綱であり、その維持は切実な問題だろう

▼かつて取材で聞いた後藤田正晴元副総理の言葉を思い出す。「国民がどこに住んでいても政治の光を当てたいというのがあの人の原点だった」。あの人とは田中角栄元首相。政治や政治家の役割とは、国民の暮らしを守ることにほかならない。その追求に与党も野党もないはずだ。

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