新潟市北区の松浜小学校では毎日、放送委員の児童が興味を持った新聞記事を一つ取り上げ、給食時の放送で紹介している。記事の要点をまとめコメントを一言加える

▼不要になった電車の部品をネットオークションで売り出すとの話題には「ごみが減って、環境にいいですね」という感想を添えた。5年生2人と担当した6年生の女子児童は「みんなによく聞こえるように声を出すことを心掛けました」と振り返った

▼放送での記事紹介は昨年度、新聞を活用した教育「NIE」に重点的に取り組む実践校になったのを機にスタートした。学校の調査では、新聞を読む児童は当初7%ほど。今では8割近くが「楽しく読んでいる」と答えた。授業で活用してきた効果もあるだろう。手前みそかもしれないが、楽しみながら読む力を付けていると思うとうれしい

▼驚いたのは児童たちがタブレット端末を活用していたことだ。記事を撮影し、それを基に放送用原稿に編集する。タブレットなら簡単に文章を直して共有できる。紙とデジタルの良さを融合した形だ

▼デジタル教育を巡っては、子どもに1台ずつタブレットを持たせる自治体が大半の一方、使いこなせず戸惑っている現場もある。新聞を作る側もデジタル面で活用してもらえる方策を探りたい

▼5日付の本紙には本年度のNIE実践校に新たに加わった6校が紹介されていた。子どもたちのために、新聞ができることは何だろう。そんなことを考えながら、この原稿を書いている。

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