
「好きな食べ物は何?」「嫌いなものはないですか」。自己紹介するとき、誰かと食事に行くとき、これまで何度も繰り広げたことがある会話では。
私の職場でもときどき食べ物の好き嫌いが話題に上がる。「果物全般だめなんです」「あんこが苦手で」。同僚の言葉に、「えっ、そんなものが苦手なの」なんて思うことはよくある。
果物が入っていなくて、和菓子はだめで-。遠出してお土産のお菓子を探すときも一苦労だ。しかし、翻って考えてみると、今年で30歳になる私も柿やスイカ、セロリ、いい年こいて嫌いなものがまだまだある。
ふと、どうして食べ物の好き嫌いが出てくるのか気になった。育った環境、遺伝、本能…。何が原因なのだろう。子どものうちに克服できていればよかったのだろうか。そういえば、大人になって味覚も変化した。昔は何がおいしいのか分からなかったビールや日本酒が、今では欠かせない日々の楽しみだ。
あれこれと考えていると、食べ物の好き嫌いについて、気になることは次々湧いてくる。好き嫌いの疑問を探ってみた。...
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