
忠霊塔の前に立つ野澤義教さん。今後の管理に不安が募る=新発田市藤塚浜
新潟県新発田市内に12あった遺族会が軒並み解散に追い込まれている。会員の高齢化で活動を維持できないためだ。今春からは紫雲寺地区遺族会ただ一つになった。紫雲寺地区遺族会の野澤義教(よしのり)さん(78)は、藤塚浜にある戦没者をまつった忠霊塔を、一人で守り続けている。
新発田市の北端、落堀川河口近くの丘に上がると、塔と忠魂碑がある。敷地の周りに生えた竹林はきれいに整備されていた。
「竹は育つものだね。昔は何本もなかったんだがね」。額に汗をにじませ、そう話す野澤さんは、毎年の盆の入り前、朝4時にここへ通って草を刈る。近年は他の会員が来られなくなり、一人での作業...
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