
昨年10月、新潟市中央区の古町通で、江戸時代の古町芸妓(げいぎ)の練り歩きが再現された。明治初期の絵画「越后新潟湊真景十六興(えちごにいがたみなとしんけいじゅうろっきょう) 三月十八日白山参詣」に、あでやかな衣装を身にまとい、白山神社へ列をなして参拝する様子が描かれている。
江戸時代中期から明治時代にかけて、北前船の寄港地として栄えた港町新潟。古町かいわいには廻船(かいせん)問屋や商家が、白山神社境内には米蔵が立ち並んでいた。古町エリアに現在もある老舗和菓子店には、古町芸伎たちも通ったであろう。
そのうちの「美豆伎庵(みずきあん) 金巻屋(かねまきや)」と「丸屋本店」は、明治初期の創業。共に...
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