
向大野新治氏
【2021/11/27】
衆院の小選挙区制度導入は、激変する世界情勢の中で必然だった-。前衆院事務総長の向大野新治氏(65)はそう読み解く。事務方トップとして衆院議長を補佐し、国会議員を長年見つめ続けた向大野氏に、小選挙区制の導入背景と意義、課題を聞いた。
-小選挙区制導入までの経緯は。
「まず小選挙区制の前に行われていた中選挙区制について知ってほしい。始まりは、戦前の帝国議会時代にさかのぼる。1925(大正14)年に『護憲三派内閣』が、男子による普通選挙と合わせて導入したのが中選挙区だった。理由は3会派が仲良く当選できるようにするためであり、理念のない制度だった」
-ただ戦後も1回だけ大選挙区で...
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