現代の子育てでは、すっかり当たり前になった光景と言えようか。乳幼児について気になることがあるとインターネットで検索する人は多いようだ

▼例えば「10カ月」と入力すれば、その後のキーワード予測として「夜泣き」「ハイハイしない」といった言葉が並ぶ。成長するにつれ「話さない」「トイレトレーニング」などと変わっていく

▼とりわけ目立つのが「離乳食」「食べない」といった食事に関わる悩み。バランスのよい食事を取らせたいという気持ちが反映されている

▼食事の重要性については本紙「おとなプラス」でも紹介されていた。幼児の偏食傾向が、脳発達に影響する可能性があるとの研究内容だった。感情のコントロールが苦手な幼児は、特定の腸内細菌を多く持つ。野菜の摂取頻度が低く、偏食傾向も確認されたという

▼野菜は大切だから食事に取り入れよう。そう考えて調理する。ここまでは親の意思でできる。だが子どもが食べてくれるとは限らない。何とか食べさせようともがくか、諦めて別の方法を試すか。せっかく作った離乳食を泣きながらはねのけられ、こちらが泣きたくなった苦い記憶を思い出す

▼新聞やインターネットなどでさまざまな情報が手軽に入手できる今、育児を巡る選択肢は無数に広がる。頭でっかちにもなろうし、できない自分を責めたくもなるだろう。でも、そこは一呼吸置いて落ち着きたい。試行錯誤する自分を褒めてあげるのもいい。できることを精いっぱいやっているのだから。

朗読日報抄とは?